不正咬合
不正咬合
不正咬合、ふせいこうごうと読みます.咬合とは、咬(か)み合わせのことです.つまり、不正咬合とは、かみ合わせが良くない状態を表します.
この不正咬合を改善するための歯科的治療が、矯正治療です.
不正咬合の種類
患者さんの立場で考えると、凸凹している歯、とびだした歯など、歯に関心が向くのは当然のことです.
しかし、歯や歯ならびだけに目を向けるのではく、上記3点から総合的に不正咬合を評価することが、まず必要です.
1.上下のあごの骨の関係
上顎骨と下顎骨は、その大きさや位置関係に不調和を生じることがあります.
よく知られて具体例としては、下顎前突があります.上顎骨より下顎骨が大きく前に出ます.[受け口]という言葉で表現されます.
歯ならびがきれいでも、その土台であるあごの骨の位置や大きさに問題があるため、よいかみ合わせにはなりません.「不正咬合p」をご覧ください.
2.歯の大きさと歯を支えるあごの骨の大きさの不調和
小学校に入学する頃:下の前歯が凸凹にはえてきました.
小学校の低学年:上の前歯の横の歯が内側からでてきました.
小学校の高学年:上の犬歯がはえてきたら、八重歯がひどくなった.
歯ならびの問題は、現れる時期・現れ方、人それぞれです.
しかし、そのほとんどに共通していることは、歯がならぶための場所が足りない状態です.別の言い方をすれば、
歯が問題なのではなく、歯を支えるあごの骨の大きさ不足が問題なのです.不正咬合の原因の項に詳しく書いてありますが、現代人の多くは、あごの骨の小さいため、不正咬合になる、考えるのが妥当のようです.
3.歯自体の問題ほか
- 歯の数
- 先天的欠損といい、1歯から数歯、歯の数が少ない人がいます.
- 逆に、過剰歯といい、余分な歯を持って生まれる人もいます.
- 事故などで、歯を失なう場合もあります.
- 歯の大きさ
- 平均より大きな歯や小さな歯の人がいます.
- 歯の位置
- 違う場所にはえてしまう歯.
- あごの骨のなかに埋まったまま、はえてこない歯.
その他にもありますが、頻度は少ないです.
不正咬合のあらわれ方(頻度)
現代人の多くは、2.[歯の大きさと歯を支えるあごの骨の大きさに関する問題]があります.また、1.[上下のあごの骨の関係の問題]も珍しくありません.
そして、多くの場合、1と2を合わせ持っています.
3.[歯自体の問題他]は、1、2ほど多くはありません.
つまり、不正咬合の多くは、歯に問題があるのではなく、あごの骨に問題があることになります.